夫婦が離婚しようとした場合、夫婦お互いが同意しなくては離婚できません。 そのため、夫婦が離婚しようとしたとき、まずは当事者同士の協議によって離婚の交渉を行います。
日本の離婚で最も多い離婚の方法が、この協議離婚です。
離婚する夫婦の8割が、夫婦による協議で離婚を行っています。
しかし、夫婦の協議で離婚が成立しない場合もあります。その場合は、他の方法で離婚の交渉を続けることになります。 その協議以外の離婚の方法には3つの方法があります。
この3つの離婚の方法は、協議で離婚が出来なかった夫婦が、家庭裁判所に申し立てをすることで調停委員の立ち会いの元、離婚の交渉を行ったり、法廷での審判を求めることができます。
離婚協議が上手くいかなった、離婚を拒むため離婚ができないという夫婦は、協議以外の方法で離婚するしかありません。
この協議以外の方法で離婚をしようとしたとき、重要となるのが離婚の条件です。
離婚の条件とは、夫婦が離婚することを認める民法で定められた離婚事由というのがあります。
ここでは、夫婦の離婚が認められる条件である、法定離婚事由について解説します。
民法が定める法定離婚事由とは
法定離婚事由とは、民法によって定められている、裁判で離婚するときに必要な事由です。
該当した場合、夫婦の離婚が法的に認められます。
その条件とは、5つの条件があります。
民法が定める法定離婚事由とは
- 配偶者による不貞行為があった場合
- 配偶者からの悪意の遺棄があった場合
- 配偶者が3年以上行方不明で生死もわからない場合
- 配偶者が重い精神病を患い、回復の見込みがない場合
- その他の婚姻関係を継続できない重大な理由があった場合
配偶者の不貞行為
配偶者の不貞行為とは、そのままの意味です。配偶者が他の異性と肉体関係を持つことを指します。
夫婦の協議で、配偶者と不倫相手にあったことを2人が認めない場合、調停や審判によって婚姻関係が配偶者の不貞によって破壊されたことを証明しなくてはなりません。
この証明には、不貞行為の証拠が必要になるため、離婚の協議を行う前に不貞の証拠を準備しなくてはなりません。
配偶者からの悪意の遺棄
配偶者からの悪意の遺棄とは、正当な理由がないのに配偶者を粗略に扱う行為のことを指します。
例えば、配偶者が家庭に生活費を入れてくれない、配偶者が健康上に何の問題もないのに働こうとしないなどが、悪意の遺棄に該当します。
民法では、夫婦は同居しお互いが協力しなければならないと、夫婦のあり方を定めています。
この夫婦の協力を拒絶したり、夫婦関係を破綻させることを目的とした行動が、配偶者からの悪意の遺棄ということになります。
配偶者の生死が3年以上不明
配偶者が3年以上生死不明な場合、夫婦は相手の意思を確認せずに離婚することができます。
この3年以上の生死不明というのは、配偶者から最後に返信のあった時点から3年以上経過しており、客観的に見て配偶者の生死を確かめることができない証拠が必要になります。
生死を確かめることができない証拠というのは、例えば、警察に捜索願を提出したときの記録、第三者から配偶者が生死不明であることを認める陳述書が証拠に該当します。
配偶者が重度の精神病
配偶者が重度の精神病を患っていた場合、夫婦が離婚することが認められます。
ただし、重度の精神病でも回復の見込みが無い場合という条件が付きます。
先程、夫婦はお互いに協力しなければならないという民法の話をしましたが、配偶者が回復の見込みがある場合に、その配偶者を放り出すような行為は協力的とは言えません。
ここで言う回復の見込みが無い重度の精神病とは、精神病の配偶者が自分の意思で言葉を発することができない、夫婦で意思の疎通が困難な状態のことを指します。
その他の婚姻関係を継続できない重大な理由
ここまでご紹介した離婚の条件以外で、夫婦が婚姻関係を継続することができない重大な理由があった場合に、夫婦の離婚が認められています。
この婚姻関係を継続できない重大な理由とは。
- 配偶者からの暴力虐待
- 配偶者が何らかの刑事事件により刑務所に服役
- 配偶者がアルコール依存または薬物依存
- ギャンブルによる多額の借金などの金銭問題
など
これらの理由で、夫婦関係を継続することが出来ない、夫婦関係を継続すれば夫婦だけでなく子供にまで悪い影響を与える危険がある。
こうした場合に、夫婦の離婚が認められるケースがあります。
離婚が認められるその他の理由とは
ここまで夫婦の離婚が認められる条件についてご紹介しました。 ここでご紹介した条件に該当した場合、夫婦関係を継続できない理由とそれを証明する証拠があれば、夫婦の一方が離婚を拒んだとしても離婚することができます。
しかし、夫婦の形態というのは時代と共に変化しており、その中には新たな離婚の理由も出てきました。
など
夫婦がセックスレスが理由で離婚することもあれば、夫や妻と性格が合わなくて離婚するという事例もあります。
どのような理由で離婚したいと思ったのか、果たしてその理由で本当に離婚することができるのか、配偶者は離婚を納得してくれるのか。
離婚したいと考えているという方は、もう一度よく考え、夫婦で話し合いをして解決することができないか検討してみてはいかがでしょうか。
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